知内町小谷石中の沢での酸性硫酸塩対策緑化工の試験施工
2018年11月12日
知内町小谷石地区は、昭和48年(1973)9月24日、大雨による大規模な土石流災害が発生し、死者・行方不明者7名となる大惨事となりましたが、治山・砂防工事等の施工もあって復興し、今では、矢越岬や「青の洞窟」へのクルージング基地として、知内町の主要な観光拠点となっている漁業の集落です。
平成30年10月18日に、小谷石中の沢の治山事業施工地において、酸性硫酸塩の影響で緑化不成績地へ対策工をCSR活動の一環として試験施工しました。緑化試験にかかる資材は、非営利活動法人自然再生技術協会からの協賛を受け、当社から岩井政人及び木戸口和裕、同法人から2名の作業協力のもと協働で施工を行いました。
㏗3程度の酸性硫酸塩への対抗策として、アルカリ成分(カルシウムイオン)の放出が長期に持続する強アルカリ資材のネオインパクト(転炉スラグ)と「DWファイバー」(木質チップを特殊解繊処理して陽イオン交換容量を高め、高濃度フルボ酸溶液である「フジミン」を添加した土壌改良剤)の混合物を酸性土壌の緩衝材として緑化不成績地に厚く貼り付け、その上から稲ワラを主体とした生分解性植生シート(フルボストロー:FSS-Ⅱ)を敷設し、中和対策と植生導入の安定化を図りました。
さらに施工面の一部に、フルボ酸(フジミン500倍希釈液)を追加散水し、さらなる植物の生育促進と酸性緩衝能力向上の比較検証を行っています。
また、今後、当該試験施工地の状況を観察し、その結果を関係機関等に情報提供していく予定です。
最後に、この度、試験地を提供いただきました渡島総合振興局に、改めて感謝申し上げます。