北海道当別町開拓記念樹イチイにおける「協働」での保全作業・その3
令和元年11月8日(金)に、北海道当別町(とうべつちょう)当別神社境内に隣接した公園内にある当別町開拓記念樹イチイの雪吊りや施肥の作業を行いました。参加者は、当別町住民環境部長大畑裕貴氏、環境生活課長中渡憲彦氏、当社から理事金井茂、樹木医木戸口和裕の4名です。
このメンバ―で、今年、平成31年4月11日(木)に、雪吊りをはずす作業などを行っていますが、「平成」から「令和」へと時代が変わりました。
本年7月5日の観察では、昨年の同時期に比べて、葉量の過半を失ったものの、残った葉は生き生きとしており、新葉も出ており、近々の枯損は無いものと思っています。
平成30年11月15日(木)に、初めて雪吊りなどの作業をしているため、今回が3度目の保全作業です。
雪吊りは、昨年、指導林家関口修氏からその技術を伝授された当社金井理事を中心に行いました。帆柱の建て込みとイチイの枝への縄の吊り込みが手際よくできました。
施肥は、これまで2回の保全作業では、イチイの根を囲むコンクリート壁の中の施肥でした。しかし、この壁の下をイチイの根がくぐりぬけ、広い範囲に展開していることが見受けられたので、今回は、コンクリート壁を囲む木柵の内側に施肥を行いました。
施肥の内容は次のとおり。
①固形肥料の埋め込み
「まるやま1号」という遅効性固形肥料を穴あけ器によるエアレーションを兼ねた穴に投入しました。
②堆肥の散布
岩見沢市の指導林家玉田孝さんが作製した牛糞ベースの堆肥を同氏から寄贈いただき、これを散布しました。
③高度化成肥料の散布
高度化成肥料「燐加安15号」(製造元:日東エコショー㈱:代理店サンスイ・ナビコ㈱)を散布しました。
④マルチング材の敷設
非営利活動法人自然再生技術協会から、「フジミン」(フルボ酸が高濃度に含まれた植物活性剤:販売元:サンスイ・ナビコ㈱)1Lと、「DWファイバー」(木質チップを特殊解繊処理して陽イオン交換容量を高め、「フジミン」を添加した土壌改良剤:製造元:大建工業㈱)16袋(50L/袋)の寄贈を受けました。
「DWファイバー」にフルボ酸が配合されていますが、さらに「フジミン」をさらに添加して、マルチング材を作製しています。
マルチング材は、下草の抑制というよりも、むしろ、フルボ酸を降雨や融雪時も含めて比較的長期間に渡って、樹木の根への供給を図ることを主目的とした、いわば「フルボ酸貯蔵庫」としての役割です。
風によるマルチング材の飛散防止のため、高い調湿機能が知られている稚内珪藻頁岩粉砕物のほか、長期間の肥効が期待できる高度化成「ハイコントロール650-700」(製造元:チッソ旭肥料㈱:代理店:サンスイ・ナビコ㈱)や堆肥をマルチング材の一部として添加しています。
⑤「フジミン」の散布
コンクリート壁内及び木柵内に、フジミン500倍希釈液を36L散布しました。
当別町住民環境部長と、次回は、来年4月に雪吊りはずし等の作業を「協働」で行うことと打合せをして、作業を終了しました。